保育園管理栄養士がおススメする  離乳食・幼児食「食べない・進まない時の声掛けのワザ」

食べることを断る少年 - 食べない 子ども 日本人 ストックフォトと画像

子どもたちは、ママやパパ、保育者など、絶対的に安心・安全な環境に心を委ねて成長しています。

それなのに、こんな声掛けをしていませんか?

  • 「美味しいかな?」

  • 口を開けない子に「おいしいよ、アーンしてみて」

  • 「なんで吐き出すの?」

  • 「ぶぶーしないよ」「べーしないで」

――こうした言葉は、赤ちゃんからの信頼を損ね、食事時間のトラブルを招く可能性があります。

声掛けの鉄則

評価につながる声掛けはしないこと

「おいしい?」「あつかった?」など、味や行動の評価を問いかける声掛けは避けましょう。

イメージしてください。
私たち大人が海外旅行中、現地の案内人に「これ、おいしいですよ!」と勧められて食べたけど、期待外れの味だったら…?
「本当においしいのかな?」と疑ってしまいませんか?

つまり、「おいしいかどうか」はあくまで大人の主観。
赤ちゃんに評価を求めるのは適切ではありません。


プロの支援者ならこう声掛けする

① 状況への声掛け

アジアの小さな赤ちゃんは、彼女の手の母親から赤ちゃんトウモロコシを受け取ります。自宅の台所の高い椅子に座る息子。赤ちゃんトウモロコシを持っている彼女の手のお母さんを見てい� - 手づかみ食べ 赤ちゃん 日本人 ストックフォトと画像

「ペトペトしてるね」「パリパリかな?」

「お口の中ではどんな音がするかな?」

感覚に寄り添う声掛けが効果的です。

子どもが食べ物に興味を持ち、食べる意欲を高めるサポートとなりますね。

② 嗅覚への声掛け

「香りはどうかな?すっぱそう?」
口に含むことができなくても、「嗅ぐ」という体験ができるだけでも
こどもたちの中ではすごく勇気のいることです

③ 味覚への声掛け

「甘いかな?すっぱいかな?」

「ちょっとだけ舐めてみようか?」

イチゴを食べる少女 - 食べない 子ども 日本人 ストックフォトと画像

甘い・すっぱい・苦いなど、味覚を現す形容詞を示しながら
こどもたちに食べる声掛けをするのがおススメです

「べーっと吐き出す」時の声掛け

食べ物を口に入れすぎた場合は「入れすぎ!」と言わず、
「このくらいの量が食べやすいよ」と正しい量を伝える。
(指摘されても子どもはどうしたらいいか分かりません)

喉や咳が止まり、痛みや喘息の発作でイライラしている少女。 - 吐き出す 子ども 日本人  ストックフォトと画像

飲み込めずに「オエッ」となる時は、決して「オエしないで!」と言わないこと。
身体の防御反応であることも多いからです。

こういう時は吐き出すための容器を用意し、安心して吐き出せる環境をつくりましょう。

食べない・進まない場合は「食事形態」も見直しを

✅舌の動きに合っていない硬さの食べ物
✅うどんなどの紐状食品で長すぎるもの
✅焼き魚など水分が少なく飲み込みにくいもの
✅常時指吸いが多く嚥下不良のある子ども(吸い食べ)

これらは支援の中でアセスメントが必要なポイントとなります


吐き出したものを「必ず確認」することの重要性

家で食べている男の子 - 手づかみ食べ 赤ちゃん 日本人 ストックフォトと画像

赤ちゃんは脳でイメージした味や食感と違うと感じた時、吐き出すことがあります。
そのため、吐き出したものをすぐに片付けるのではなく、子どもに見せて一緒に「これは何だ?」と分析する経験も大切です。
感覚のイメージを脳に伝え、食べ物への理解を深める機会となります。


「おいしい」は使いがちな声掛けだが…

家族、日本人、女性は成長、健康、栄養のために家の台所で娘に餌を与えます。食事や子供の発達のために母親と祖父母と一緒に東京のアパートで食事をする食べ物、女の子 - 食べない 子ども 日本人 唐揚げ ストックフォトと画像

乳幼児期は味の感じ方も発達途中で、何が「おいしい」のか自分で理解しづらい時期。

大人の「おいしい」評価は信頼を失うこともあります。

一方で、食味や食感についての「状況への声掛け」は、食べ進み方に良い影響を与えることがわかっています。

乳幼児期はまだ味覚が未発達であり、「おいしい」という表現は大人の主観であることが多いものです。

だからこそ私たち大人は、子ども自身の反応やサインを尊重し、無理に「おいしい」と誘導するのではなく、感覚に寄り添った声掛けを心がけることが大切です。

保育・看護・産後支援といった専門職の現場で、
こうした視点をもって保護者へ伝えていくことが
「食べる力」を丁寧に育てる第一歩になります。

さらに体系的に、

  • 離乳食期から幼児食期への発達のつながり
  • 咀嚼・嚥下の発達を踏まえた食支援
  • 子どもの“食べたい意欲”を引き出す声掛けと環境づくり
  • 保護者支援としての伝え方

    を深く学びたい方には、保育食支援士2級 資格講座をおすすめしています。

特に今回触れた「声掛け」「食べない・進まない時の支援」については、

幼児食単元(2days)『食べたい意欲を引き出す食支援』の中で、実践例や動画教材も交えてさらに詳しく解説しています。

子どもの“食べたい!”を育み、保護者の悩みに寄り添える専門職としてステップアップしたい方は、ぜひ受講をご検討ください。


【補足・根拠】

  1. 評価を避ける声掛けについて

    Birch & Fisher (1998)、White & Power (2009)

    子どもの自主的な摂食行動を促すためには、評価やプレッシャーをかける声掛けは逆効果になることが示されています。
  2. 感覚への声掛けについて

    Johnson (2016)、Nicklaus & Monnery-Patris (2013)

    味覚・嗅覚・触覚に関する言語的刺激は、子どもの食への興味と意欲を高める効果があります。
  3. 吐き出しやむせへの対応について

    Kühne et al. (2021)

    拒否反応や嘔吐への否定的対応は、食事行動の悪化を招く可能性があると指摘されています。
  4. 食事形態の調整について

    White & Power (2009)

    発達段階に応じた食事形態の調整は、摂食機能の発達に不可欠です。
  5. 吐き出し物の確認について

    臨床的実践知見による推奨。

    食べ物を吐き出す行動を子どもと一緒に観察・分析することが、感覚フィードバック学習に役立つとされています。
  6. 「おいしい」は主観であること

    Birch & Fisher (1998)、Nicklaus & Monnery-Patris (2013)

    大人の主観的評価が子どもの食行動にマイナス影響を及ぼす可能性が示唆されています。

参考文献

  1. バーチ, L. L. & フィッシャー, J. O. (1998). 子どもと青年における摂食行動の発達. 『小児科ジャーナル』101(補遺2), 539-549.
  2. ホワイト, J. M. & パワー, N. (2009). 幼児の食物受容パターンの発達. 『幼児発達とケア』179(4), 451-460.
  3. ジョンソン, S. L. (2016). 子どもと青年の食行動の発達. 『小児科学』138(1).
  4. ニクラウス, S. & モネリー・パトリス, S. (2013). 子どもの食嗜好と健康的な食習慣の発達. 『国際小児科ジャーナル』.
  5. キューネ, R. 他 (2021). フィーディング中の親子相互作用と子どもの食行動との関連: 系統的レビュー. 『Appetite』159, 105077.

この記事を書いた人

執筆:三井 眞理子(みつい まりこ)
一般社団法人こども保育支援協会 代表理事/管理栄養士/保育食支援士 開発者。
保育園・行政・医療機関での栄養支援経験をもとに、
「食を通して子どもの発達を支える」専門家育成に取り組む。
保育士・栄養士・看護師向けの研修や講座を多数実施。

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